かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「な……何?」
 ぼーっと考え事をしていた私だったので、少々驚いてしまった。
 先生はそのまま脇に車を停めると、“ちょっと待ってて”と云い、車から出て行ってしまった。
 何だろう――誰か生徒に目撃されたか。それで先生は焦って逃亡――。
 そんな想像を巡らせながら、フロントガラスに目を走らせると。
 そこには、白髪のお婆ちゃんが倒れていた。
 尻もちをついて、そばに杖が転がっている。
 先生は一目散にそこへ駆け寄った。
 そして声をかけ、そっと身体を支え起こしてやる。
< 246 / 400 >

この作品をシェア

pagetop