かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 こちらを指す仕草で思った。
「うん。でも散歩になるからって……余計なことだったな」
 先生はそう言うと、スマートに車を発進させた。
 そういうこと、普通に、何気なくできるひとなんだな。
 ――生々流転――。
 私の中で、こころが揺れ動く音を聞いた。
「先生、今度デートしよ」
「えっ。いいのか」
「うん――よろしくね、アツシくん」
「そっか。どこへ行こうかな」
 声が生き生きし出す。
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