かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 だけど、それはそれで。
 こうして肩の触れそうな距離に黙って座っていられるだけで、幸せに感じるんだろうな。
 純が、私の隣にいてくれるだけ、ただそれだけで――。
 今、楽しい気分だけれど。
 それは海に来ているのが楽しいのであって。
 決して、“高野先生と一緒だから楽しい”のだとは言い切れない。
 私は膝を抱えて、膝に顎を乗せて目を瞑った。
 今頃、ラストライブに向けての追い込み練習してるだろう、純。
 曲はどうなったのかな。
 詞は書けたの? 香花ちゃんに頼んだものを採用した? ちゃんとできてた?
 何だか色んな心配事が湧いてきた。
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