かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「うん……」
私は先生に身体を預けた。
昔むかし、カミナリが鳴る時には、きまって祐太と一緒に毛布に包っていたことを思い出す。
ふたりともカミナリが怖くて、でもふたりでいると安心して、カミナリが通って行くのを遣り過ごしていた。
祐太は、幼馴染で私の幼い恋人だった。
それに比べて、高野先生はまるで、お兄ちゃんみたいだ。
お父さんでも、彼氏でもなく、お兄ちゃん――。
そんな兄の胸の中で、私はいつしか、すやすやと眠ってしまっていた――。
私は先生に身体を預けた。
昔むかし、カミナリが鳴る時には、きまって祐太と一緒に毛布に包っていたことを思い出す。
ふたりともカミナリが怖くて、でもふたりでいると安心して、カミナリが通って行くのを遣り過ごしていた。
祐太は、幼馴染で私の幼い恋人だった。
それに比べて、高野先生はまるで、お兄ちゃんみたいだ。
お父さんでも、彼氏でもなく、お兄ちゃん――。
そんな兄の胸の中で、私はいつしか、すやすやと眠ってしまっていた――。