かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
私ですら、1年ほどのセカンドバージンを守っているというのに。
「ってか、あれ何の先生? 顧問は亜紀先生でしょ? じゃあ、副顧問とか?」
なっちゃんは見られていた、という動揺から、まだ立ち直っていない。
指を噛んだまま、左右に首を振った。
「剣道部のコーチ――。近所の、剣道教室の先生」
なるほど。
だから見覚え(後ろ姿だけど)がなかったのか。
「とりあえずありがとう、柚実。もう学校でイチャつかない」
「なっちゃんは年上好きなの?」
私はまたも質問をした。
「そんなことない。たまたま、相手がコーチだっただけ」
「たまたま、って……本気で好きなの?」
私は尚も尋ねる。
「勿論」
「ってか、あれ何の先生? 顧問は亜紀先生でしょ? じゃあ、副顧問とか?」
なっちゃんは見られていた、という動揺から、まだ立ち直っていない。
指を噛んだまま、左右に首を振った。
「剣道部のコーチ――。近所の、剣道教室の先生」
なるほど。
だから見覚え(後ろ姿だけど)がなかったのか。
「とりあえずありがとう、柚実。もう学校でイチャつかない」
「なっちゃんは年上好きなの?」
私はまたも質問をした。
「そんなことない。たまたま、相手がコーチだっただけ」
「たまたま、って……本気で好きなの?」
私は尚も尋ねる。
「勿論」