かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
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 弓佳たちとのおしゃべりを終えて、私は帰ろうと昇降口にいた。
 そこでふと、ギターケースを背負っている生徒の影が見えて、ぎくりとした。
 でも、その一味は純たちの集団ではなかった。 
 同じ軽音のひとたちなのだろう――音楽ぼーずは、基本的に午後からの始動らしい。
 とりあえず私はほっとして、いざ、帰ろうとした。
 ――ところ。
「お、瞬のカノジョじゃん」
「ほんとだ」
 と、声がした。
 瞬に、彼女ができたの? と、色んな感情であちこちを見渡して見ても、それらしき女の子は見当たらなかった。
「帰んの?」
 と、天然パーマで目つきの鋭い生徒が言ってきた。
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