かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 勉強ができて、誰ともつかず離れずの関係を保つことができて、香花ちゃんなんて気難しい子を惚れさせて。
 シャイだけど隠れた優しさを垣間見せる時もあって――。
 ああ、温泉に純と来たかったな。
 疲れを癒して、温泉の湯気で潤して、声も治るといいのに。
 考えるのは嫌だけど、どっぷりと純のことを憶ってしまう。
 やっぱり私は、純のことが好きなんだろうな、多分。
 だけど、恋愛休止期間の終わらせ方が解らない。
 私は、ざぶんとあたままでお湯に入った。
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