かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ～柚実１６歳～

　やはり、こんな音楽に対してぺーぺーの自分が言うのもアレだけど、ＴＲＵＴＨのラストライブに、歌詞を貢献できなかったのはこころ残りだった。
　本当に、過去の自分に対して言ってやりたい。
“ＴＲＵＴＨのラストライブに、詞を書けないなんて、やるせない気分になるだけだ”と。
　ライブが終わり、私は１階のライブハウスの前で、出待ちをしていた。
　出待ちにいたのは、数十人ほどの女の子だ。
　皆、ＴＲＵＴＨを待っているようだった。
　すっと現れた瞬先輩に、きゃー、と女子が盛り上がる。
　続けて、圭吾先輩、そして純がくると、その場は混乱状態にあった。