かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私は何も言い返せなかった。
 純が、本当に私のことを好いていてくれるかどうか、不安だったから。
 そんなこと、言い訳にしか過ぎない。
 ただ、年上の男のひとというものに、憧れがあった。それは、否めない。
 でもこうして、純は私を引いてくれるのなら――。
「解らない」
「え」
「オマエが、解らない」
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