かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 お母さんは門を開いてくれて、中に通してくれた。 
 水を止め、ホースはそのままにお母さんは玄関でサンダルを脱ぐ。
 私も続いて靴を脱ぎ、入ってすぐ右手の和室に入った。
 祐太の家は、何度も来ているから、熟知していた。
「綺麗な花束ね。今、花瓶持ってくるわね」
「仏壇、拝んでてもいいですか」
「いいわよ。ふたりきりで、ごゆっくり」
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