かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
だけど“いつまでも過去にしがみつくな”と森村瞬先輩――当時つきあっていたような瞬に祭壇を破壊され、それから私は祐太に固執しなくなった。
それでも、今日は祐太の誕生日、そんな日に彼の家を訪れた。
ちいさくて可愛い――祐太の好きだったかすみ草の花束を抱えて。
「もう9月だっていうのに、まだまだ暑いわね。よしちゃん、元気だった?」
目尻にシワができる笑顔は、祐太そっくりだった。
シワはできないにしろ、祐太は笑うと目尻が思いっきり下がる。目がとろけちゃうんじゃないかってほどに。
「はい、元気でした。お陰様で」
それでも、今日は祐太の誕生日、そんな日に彼の家を訪れた。
ちいさくて可愛い――祐太の好きだったかすみ草の花束を抱えて。
「もう9月だっていうのに、まだまだ暑いわね。よしちゃん、元気だった?」
目尻にシワができる笑顔は、祐太そっくりだった。
シワはできないにしろ、祐太は笑うと目尻が思いっきり下がる。目がとろけちゃうんじゃないかってほどに。
「はい、元気でした。お陰様で」