かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 彼は今日もギターケースを背負っていた。
 そして手には謎のペーパーバック。
 私へのクリスマスプレゼント? でも指輪や財布にしては大きすぎる手荷物だった。
「どこに行くの」
「とりあえず、行こ」
 彼は先だって歩いて行く。
 私は慌てて彼について行く。
 地上に出ると、凍てつくように寒かった。
 鞄の中に忍ばせた、彼への手袋の贈り物を早く渡したいとも思った。
 けれど、手袋をしてしまったら、彼の手を、私の手で温められない。
 プレゼントのチョイスを間違ったか――? そう思ったけれど、今はまだ裸の手。
 私は自然と、彼の冷たい手を取った。
 純は嫌な顔ひとつせずに、なされるがままだ。
 出たところは国道沿いで、車がびゅんびゅん走っているところだった。
 チェーンのファミレスが見えたけど、他には雑多なビル群といった景色。
 ファミレスに入るのかな、そう思った時。
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