かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 それは独りぼっちでいる高野先生の促しがあって――と云おうとした。
 けれど、彼女の口からぽろぽろと言葉が零れてきて、私が口を挟む隙はない。
「思い切って中学で一緒だった子に声かけて、また仲良くなれたのも、今の彼ができたのも。柚実ちゃんってアクティブで自分から何かを発するひとでしょう。私もそうなれたらいいなって思って、頑張った結果がこれ」
 真っ赤なスポーツカーを指差す香花ちゃん。
「ちょっと趣味悪いけどね。いいひとなのよ」
「うん。香花ちゃんが幸せそうでよかった」
「きっと、柚実ちゃんが幸せだから、周りのひとも幸せにできるのね。ポジティブ、行動力って時には必要ね」
 確かに、私は幸せ者だ。
 片親だけど、ちゃんと家もあるし食べることもできる。
 好きなひともたくさんいるし、大事なひとも常にこころの傍にいる。
 悩むこともあるけれど、それでも前向きでいようと思う。
「ありがとう。べらべら喋っちゃった」
「ううん。香花ちゃん、見違えた」
「そう?」
「前よりもますます綺麗になった」
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