かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 うふふ、と笑い声を残して、彼女はじゃあ、というとまた車に乗り込んだ。
 そしてまた軽く手を振ると、ぶおおん、と排気をして赤い車は行ってしまった。
 最初に香花ちゃんを気にかけたのは、高野先生だよ。
 エロ教師だけど、ちゃんと教師やってる。
 私もちゃんと、周りを見られる人間になりたい。
 物理の成績にも親身になってもらって、私の行く末も、香花ちゃんの行く末にも、いい方向へ導いてくれた。
 凄いな、先生って。
「よしちゃん」
 少し離れたところから、純が私に手を伸ばす。
 私は小走りでその手を取った。 
 この幸せも、誰かからの贈り物。
 祐太、瞬、高野先生――。
 ちゃんと、噛み締めなきゃ。
 この恋、手放せない。
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