かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「クリスマスの日に、柚実ちゃんへ」
 連れてこられたのは、バンドスタジオ。
 確か去年もここに来たことがある。
 あの時は瞬に連れられて。
 そして今は、純に連れられて。
 ふたりきりの音楽スタジオだ。
 重苦しい扉を開けると、タバコの匂いがした。
 窓もない、閉鎖された防音施設。
 前はTRUTHの練習場所だったのに。
 今はもう、圭吾先輩も瞬もいない。
 純は独りきりだ。
 そんな純は、私の少しの切ない気分を払拭するかのように、すぐにギターを取り出しては弾き語りを始めた。
「でゅるる、でゅるる、Oh, Oh, Oh, Oh,でゅるる、でゅるるOh, Oh, Oh, Oh」
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