かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 このあけっぴろげな性格は、どこか私にも通ずるところがある。
 純は表情ひとつ変えないで、ランチを頬張っている。
「それより、なっちゃんよ、なっちゃん」
 弓佳が、話題を変える。
「――何? なっちゃん、あれから瞬と何か進展でもあった?」
「ないないない」
 なっちゃんの代わりに、弓佳が応える。
 なっちゃんは、はぁと息を吐いた。
「どうやら、瞬先輩、好きなひといるみたいなのよね。女の子が群がってもクールに対応だし。私の出る幕ないって感じ」
 ぎくり、とした。
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