うるせえ、玉の輿。

「やった。私と丞爾くんの食器はお揃いでね。お風呂も沸かしてこようかしら」
「もう洗ってる。じゃあ二人で洗濯物のタオルを」

「あの! すいません」

おろおろと真っ青になったジョージさんが私と業平を交互に見る。
「せめて、トラックを会社に置いてきてちゃんと仕事終わらせてからでもいいですか? さすがに今はまだ仕事中なんで」
私と業平は、お人よしのジョージさんを追い詰めてしまっていたらしい。
あわあわする彼の表情を見ていたら、申し訳なくなってしまった。
私と業平は、いつもどこか常識から外れてるから。

「ごめんなさい。なんか、今日は色々ジョージさんに失礼ばかりで申し訳ないです」
「いえ、そんなこと」
「じゃあ、ご飯は食べに来てくれます?」

だが私はそんなお人よしの部分を利用する。
さっき飛び蹴りしといて、か弱い女なんてイメージは無理にしてもだ。
せめて二人の距離を縮めなければいけない。

「分かりました。会社にトラックを戻してバイクで来ますので30分はかかりますが」
「大丈夫です。待ってますね」

にっこり微笑むと、ジョージさんは少し照れたようにはにかんで何度もお辞儀しながらトラックで去って行った。

「よし。チャンスだ。業平」

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