白と黒
あれからしばらく経ったある日の休憩時間、フミヤが必死の形相で懇願してきた。

今度の土曜日に黒川と遊園地に行く約束をしたのだが、いきなり二人で行くのは不安だから、俺も誘ってほしいと頼まれたらしい。

俺が行けば、悪いほうへと向うことは俺の中では明らかだった。

「悪いけど、そんな気分じゃねえんだ。他のヤツじゃ駄目なの?」

「俺も、今のノリは多分来てくれないからって言ったんだけど、せっかくの機会だから、お前がイイって聞かないんだよ。頼む!俺の恋のサポートだと思って!」

俺はまた人を傷つけようとしてる。

最初の嘘がなければ、こんなことにはならなかったのだろう。

「わかった。今回だけだぞ。」

また、過ちを犯した。
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