ねえ、理解不能【完】






だんだんと家のあたりに街並みが変わっていく。



どうやら広野みゆちゃんは本当に千草を家まで送るみたい。本当にそれでいいの?って偉そうに心の中で言ってやった。



だけど、二人に私が道を挟んだすぐ後ろにいることは絶対に気づかれたくないから、音をあまり立てないようにできるだけ気配を消して歩いてる。



二人をじっと見る。

後ろからだから、ばれることもない。




千草は今どんな顔をしているのかな、とか。広野みゆちゃんは千草に対してどんな感じなのかな、とか。それから、二人はどんな会話をしているのかな、とか。


気になることがいっぱいあって、すべて知りたいけれど、ここからじゃ二人の背中しか知ることができなくて。




でも、知りたい。

単純な好奇心なんだと思う。その言葉しかあてはめ方が分からない。





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