ねえ、理解不能【完】
私は最後の望みを託して、あわてながら、ゆうの方に顔を向ける。
ブンッて音がするくらい、勢いをつけてしまった。
「でも、ゆう!ゆうはいいの?嫌なら、全然遠慮せず言ってくれればいいから!ね?」
あくまでとびきりのつくり笑顔を貼り付けて。
心の中は、断って!嫌だと言って!の思いでいっぱいだけど、千草にも伝わらないテレパシーがゆうに伝わるとは思えなかったから、とにかく祈るしかない。
.......だけど、祈りって叶わないから願うみたいなところあるんだ。
「俺は別に嫌じゃないけど、青が嫌なら断る。嫌?」
そんなに爽やかな顔で首を傾げられても、私には首を横に振る選択肢しか残されていない気がするんだけど。
エンドロールなんてそんな美しいものではなくて。ゲームで、敵に倒された後のジ・エンドの音楽が脳内で流れる。
.......終わった。
こんなのもう、断れない。
千草の部屋で、千草と広野みゆちゃんと私とその彼氏でダブルデートすることが憧れだって嬉しそうに千草に話したことを急に思い出す。
脳天気なお気楽女だった。タイムマシンがあるなら、殴ってやりたい。
今では、その頃の私が憧れだ。