ねえ、理解不能【完】
部屋に入ったら、そうなるのは当たり前と言い切った千草。
さっきまで、この部屋にいた、千草と広野みゆちゃん。この前キスしているのを見てしまった日も、おそらくそれまで千草の部屋にいた二人。
方程式はいとも簡単に結びつく。
想像しかけて、それを振り切るように瞬きをした。
足にかけていた千草のパーカーを返す。千草は受け取ってくれなかったから、仕方なくベッドの上に置いた。
千草の視線がなぞるように私のショートパンツから伸びた素肌にうつり、それからふいっと顔が背けられる。
「じゃあ、.....千草も広野みゆちゃんと部屋でそういうことしてるってこと?」
さりげない、詮索。
嘘、全然さりげなくない。
聞きたくもないのに聞いてしまって、すぐに後悔する。だけど取り消すこともしたくなくて、千草の返事を待つ。
千草はたった今背けた顔を私に戻して、小さくうなずいた。
「してるよ」
「へ、へえ」
どん、と何か鈍器で頭を殴られたような衝撃に顔が引きつってしまって。相槌が、すごくカタコトになる。
分かってたはずなのに、してない、って言ってほしかったんだって、一丁前に傷ついてから気づいた。