ねえ、理解不能【完】
「あ、甘くみてたわけじゃない、し」
「じゃあ、そうなるの望んでたわけ」
「違う、けど、でも大丈夫って思ったんだもん」
実際私は甘く見すぎていたんだろうけど、どろどろした自分の気持ちに蓋をするかのようにどうしてか優しい千草に意地を張って反論してみたくなってしまって。
千草が、私の頭をなでるのをやめて、弱い力で私の髪の毛を引っ張った。少しだけ暴力的な行為に、千草が怒った、なんて、心の端っこで嬉しくなってしまった私は、たぶん相当歪んでいる。
「男なんて大体やることしか考えてない」
「.....でも、っ、」
「大丈夫だったらお前は今こんなところで泣いてないだろーが」
違う?って、細められた目に引きつった表情。私のために、怒ってる。
その表情は怖いはずなのに、さっきまですごく恐れていたゆうのことが、今の千草で少しだけ消えてきている。
「部屋入ったら、そんなん当たり前だから」
経験値の差を突きつけられて、私はぎゅっと唇をかむ。
千草のおかげで安心できたのに、千草の言葉で嫉妬してしまって。どこまでも欲張りな私だ。