ねえ、理解不能【完】
10分くらい夢中で漫画を読んでいたら、後ろから軽く肩を叩かれた。
突然のことでびくりと肩が上がってしまう。
ちょうど今、主人公がバトルに負けて涙を流していたところだったから続きをすぐに確認したかったんだけど、ごめん、と後ろからかけられた言葉に渋々漫画をとじる。
「ごめん、白崎。そこ俺の席なんだけど、座ってもいい?」
もう一度、ごめんの三文字がおとされた後に、続けられた名前。
白崎はわたしの名字。どうやら、妃沙ちゃんの隣の席の人。
何度も聞いたことがある柔らかい声。同じクラスの人なんだから、当たり前のことだけど。
「ごめんっ、どうぞどうぞ!」
勢いよく立ち上がって椅子をひく。
教室に入ったら自分の席に違う人が座ってるんだもん。驚いたよね。
申し訳ないことをしてしまった。