ねえ、理解不能【完】
最近の妃紗ちゃんは手厳しくて、ちょっと悲しい。
しょんぼりした表情をつくったら、「はやく私に、彼女になったよ、って報告してよね」って、優しい声で言われた。
やっぱり、優しいね、妃紗ちゃん。
お姉ちゃんみたいだ、ってたぶん思うのは100回目くらい。
そんな妃紗ちゃんとは今日は一緒にお昼ご飯を食べられなくて。
お昼休み、私はひとりで寂しく自分の席でお弁当をつまんでいる。
化学準備室に行くって言ってた妃紗ちゃん。最近、妃紗ちゃんの口からよく出る言葉。
どうして?って言ったら、秘密って可憐に微笑んで、「今はね、叶わせないまま頑張ることにしたの」って、目を細めていた。
高嶺の花なのに、ずるい顔だった。
いつも頼ってばっかりだけど、本当は私も妃紗ちゃんに頼られたいってときどき思ってる。
「ちょっと、白崎さんいい?」
可愛い妃紗ちゃんのことを考えながら、おかずのハンバーグを食べていたら、後ろから声をかけられて。
突然のことで、ぴくりと身体がはねる。
聞きなれない高くて可愛い声。
恐る恐る振り返ると、大人っぽくて、うっすらとらお化粧をした可愛い女の子がふたり立っていた。