ねえ、理解不能【完】
「えっと、」
戸惑いながら首を傾げると、千草くんのことなんだけど、と片方の子が言ったから、ドキリ、と心臓がはねて、思わず姿勢を正す。
「白崎さんって、千草くんと付き合ってるの?なんか、昨日手繋いでるのみたから、どうなのかなって」
「・・・えっ、と」
それね、私も知りたいの。
千草に聞いてほしい。
付き合ってるのかどうか、はっきり分からないから、答えられずに、目が泳いでしまう。
「幼なじみって噂もあるんだけど、どっち?」
「・・・うーん、と、」
「・・・・・・、」
「・・・付き合っては、ないよ」
付き合ってる、って言えばよかった。
だけど、なんかこんなところで嘘つくのも虚しいし、可愛いふたりの圧に、思考回路もうまく回らなくて。
二対一って、ちょっと、ずるい。
その質問を私にするのも嫌だ。
そういうのずるいから、千草に相手にされないよ、って嫌味は心の中でちゃんと返す。
だけど表向きの私の返事に女の子たちは、ぱっと顔を明るくさせて、付き合ってないんだ、と言い合う。
その反応ですら私はイラッときてしまったけれど、あくまで引きつった笑顔は絶やさずにいたら、もう用は済んだのか、「答えてくれてありがとう」ってお礼はしっかり私に伝えてすぐに去っていった。