ねえ、理解不能【完】





「んっ、」




自分の喉の奥から、甘くぬけるみたいな音がもれて。
だ液の音とあいまって、鼓膜を刺激する。




ぎゅっと目をつむって、ひたすらに千草のシャツをつかんでいるけれど、息ができなくて、もう、限界だった。





「っ・・・・・・んんっ、・・・はぁっ、」




千草の胸をとんって弱い力で押す。

さっき強い力で押した時はびくともしなかったくせに、今度はすぐに唇を離してくれた。
それから少しだけ、身体も離れる。




千草は私の唇に親指を添えたかと思ったら、ぬぐうようにすくいとって。

そして、ぬれている千草の唇も自分でぬぐっていた。



私は呼吸が乱れているままにその光景をじっと見つめる。


そうしたら、千草は、ふ、とまた表情をゆるませて。



今度は、さっきの甘ったるさを半分どこかにおいて、穏やかな手つきで私の髪に触れた。




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