ねえ、理解不能【完】
机の上に頬杖をついて川瀬君の方を見ていたら、視線がばっちりと合わさってしまう。
なんとなく気まずくなって、なぜか小さくお礼をしてしまった。そうしたら、川瀬君の口角がきれいに上がってそのあとぺこりとさげられた頭。
それがなんだか秘密のやり取りみたいで、こそばゆくなって頬が緩む。
千草以外をあんまり知らないから、川瀬君みたいな男の人はけっこう新鮮だ。
千草に報告しようかな。
同じクラスで仲良しの男の子できたよって。もしかしたらついに私にも春が来るかも、なんて自慢げに。
どうせ千草のことだから、ふーん、って言うだけだろうけど。私の一大報告が、千草の興味のなさそうな相槌ひとつで終了してしまうことは目に見えている。