ねえ、理解不能【完】
千草の教室に向かっているけれど、足取りはこの前より数百倍くらい重いし、D組もすごく遠く感じる。
みんなが帰っていく頃だから、廊下は騒がしい。
D組のドアからばれないようにこっそりと中を覗くと、千草はちょうど帰る用意をしていた。
机の中から、教科書とか参考書とかを一冊一冊だしている。きっと全部持って帰っているのだろう。
私の教科書は全て机の中で眠っているっていうのに。
千草って昔から変なところが真面目だ。