ねえ、理解不能【完】







「.......ちいくん、青ちゃんが先約なら、 私はいいよ?」



広野みゆちゃんが、上目遣いで千草を見て完璧な角度で首を傾げた、


.......ように、私には見えた。





付き合ったんだっけそういえば。

だからかな。
彼女の余裕っていうの?

それ、気に食わない。


幼なじみのほうが、一緒にいた年月も長いのに。
私のほうが千草のことたくさん知ってるのに。



広野みゆちゃんに罪がないのはわかってる。

わかってるけど、でも割り切れないことだってある。



千草のことを頼んできた時は、私のことも“白崎さん”って呼んでたのに。

千草の彼女になったから、その幼なじみにまで馴れ馴れしくしてもいいと思ってるところが嫌だ。



それに、先約って言い方も好きじゃない。私にとって千草は予約制じゃないの。自分と一緒にしないでよ。






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