彼女は実は男で溺愛で
「他にも、西園グループの後継者候補と呼ばれる人物は何人もいて。もちろん一般男性社員も、参加可能な集まりではある。純粋に花嫁を探している人も、中にはいるかもしれない」
「中にもって」
彼を見つめると、苦々しく言った。
「ほとんどが、遊び相手を探して参加しているだろうね。史ちゃんが抜け出した後くらいから、男性社員が紹介を受け、合流する形になる」
「そんな。それを会社が推奨しているんですか?」
それこそ、どうかしている。
染谷さんは力なく頭を振ると、目を伏せ、私を見ずに話を続けた。
「子孫を増やして、繁栄してきたグループだからね。西園グループのトップなら愛人がいるのが当たり前で、なんなら隠し子を産ませているくらいじゃないかな」
私はこの会社に、ぴったりの名前が思い浮かんだ。
「大奥?」
私の突拍子もない発言に、染谷さんは笑う。
「ハハ。時代が違えば、そう呼んでもおかしくないよね。結婚相手はきちんとした家柄の女性が決められていて、その人との間に子どもが授かるかどうかは分からない。だから」
理不尽過ぎる言い分に、私は染谷さんの言葉を遮って訴える。
「だからって、おかしいです!」