彼女は実は男で溺愛で

 彼は努めて明るく言った。

「だから、次に俺の全部を知っても受け入れてくれる奴に出会ったら、親友になろうって決めていた。史ちゃんは男側も女側も認めてくれて、変な目で見ない。史ちゃんの態度に、俺は救われた」

 私も同じだ。

 右も左も分からない会社で、優しく接してくれた。
 コンプレックスの話も真摯に受け止めてくれて、変われる手助けをしてくれて。

 仲良くなれた、憧れのお姉さん。

 親友と呼ぶのはおこがましいかもしれないけれど、今の間柄が崩れてほしくない。

「じゃ、やっぱり私とも友達に」

 私の希望を聞いても、染谷さんは言葉を重ねた。
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