彼女は実は男で溺愛で
「その中の1人が「ないない。染谷が女装したら、その時点で友達やめる」って言って」
少し寂しそうな表情が、胸を痛くさせる。
私は口を挟めずに、彼の話をただ黙って聞いた。
「最初に話題を振ってきた奴も、一瞬考えて
「だよな」って、同意して。そのくらいは、よくある光景で。けれどそのあと、そいつに告白された。友達として見られないって」
思わぬ展開に「だって、友達」と言いかけて「襲われかけたのは、男も女も」と、教えてくれた悠里さんの言葉が蘇る。
「「本当に男なのか?」って、笑うしかないよ。「いや、染谷なら例え男でも……」って」
重ねていた片方の手を額に当て、乾いた笑いをこぼす。
「さすがにショックだった」
なんて声をかければいいのか。
彼の心が受けた傷を思うと、やりきれない。