彼女は実は男で溺愛で
ソファに腰掛けると、優しくキスをしていた唇が私の唇を食み、そして深いキスへと変わる。
ゆっくりと彼の手は私の頬を撫で、囁いた。
「好きだよ。史ちゃん」
キスは唇から頬へ、それから首すじに触れる。
甘い吐息が漏れ、彼にしがみついた。
「一緒に脱ごう」
彼の手にいざなわれ、私は彼のワイシャツのボタンに手をかける。
その手は震え、上手くボタンをつかめない。
「怖い?」
私は左右に首を振って「緊張、して」と、言った声も震えていた。
彼は震える私の指先にキスをして、上目遣いで私を見上げた。
いつもと逆の構図に、彼の艶かしさが際立つ。
すくい上げるようにキスをした悠里さんは「史ちゃんからもキスして」と催促した。
私は言われるまま、目の前の悠里さんの唇にキスをして、それから差し出される指先にもキスをする。
私の手は彼の素肌に促され、脇腹辺りに直接触れた。
細いだけではないたくましい体に触り、ドキドキしながらも、触れるほどに熱っぽくなる彼の視線に酔わされるように肌に指先を滑らせる。