彼女は実は男で溺愛で

 彼は私に自身のワイシャツをかけ、肩を抱いて寝室まで歩いた。
 ベッドの近くまで歩み寄り、立ち止まる。

「脱げる?」

 彼の大きな手が私の腰に触れ、顔が熱い。

「……見ないで、ください」

「うん。じゃ抱きしめておくから」

 彼に軽く腕を回され、彼のすぐ近くでガードルに手をかける。
 彼の大きなワイシャツの中で、なにもかもを脱いでしまった。

 どうしよう。
 とうとう彼と……。

 ガードルを自分で脱ぐという行為が、状況を冷静に考える機会になってしまい、急激に恥ずかしくなる。

 固まっている私に気付いたのか、彼は優しく私に問いかけた。
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