彼女は実は男で溺愛で

「本当に。別の機会にしてもいいんだよ。俺も実は少し怖い」

 彼の本心を聞き、目を丸くする。

「すごく、慣れてるみたいでした。未経験なんて嘘なんだって、ずっと思って」

「じゃ生まれ持ったポテンシャルかな」

「えっ」

 これが生まれ持ったポテンシャルというのなら、彼は女遊びの素質があるってことになるんじゃ。
 そう不安に思っていると、彼は私の想像を見越したように苦笑した。

「史ちゃん、なんでも真に受けないで。男だから嫌でも知識は植え込まれるし。あとは史ちゃんが可愛いから」

「私?」

「うん。史ちゃんを見ていると、触れたくて、抗えなくなる」

 カアッと顔を熱くさせると、優しく頬にキスをされた。

「ごめんね。ゆっくり付き合うって、言ったのにね」

 済まなそうに言う彼の体に腕を回し「私も、悠里さんと本物の恋人同士になりたい」と、消え入る声で告げた。

「史ちゃん」

 彼は私の体に沿うように、指でなぞる。

「んっ」

「つらくならないように、ゆっくりと愛そうね」

 そう言って、彼は優しく奥へと触れていった。
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