彼女は実は男で溺愛で

 朝起きると体の怠さを感じ、隣の彼に目を向ける。
 美しい寝顔は呼吸に合わせ、微かに動いている。

 唇が今まで以上に色っぽく見え、困ってしまう。

 昨日彼に愛され、彼しか触れ得ない奥深くで彼と重なった。
 痛みはほぼなく、それよりも自分の知らなかった淫らな欲情に、思い返すと恥ずかしくて仕方がない。

 本当に、彼と?

 実感が湧かなくて、体にかかる布団を持ち上げようとして、阻止された。

「えっち」

「ゆ、悠里さん!」

「今、覗こうとしたでしょ」

「そ、そんなわけ」

 昨日は彼に翻弄され続け、なにがどうなったのか、正直よくわかっていない。
 モヤがかかる、ひどく艶かしく淫らな世界。

 あれが、恋人の……?
 本当に?

 彼は悪戯っぽい顔をして、私のおでこにキスをする。
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