彼女は実は男で溺愛で

 近づいてくる彼の端正な顔立ち。
 半開きになった、色気漂う口元。

 そのまま口付けられ、胸が苦しくなるほど締め付けられる。
 開いていた口元は唇を挟むようにキスをされ、背筋に甘い痺れを走らせる。

「まだ、重ねているだけだよ?」

「だって、見ていると悠里さんがすごく扇情的で」

「この辺りがゾクゾクするの?って、史ちゃん」

「え」

 彼は私の背中に手を当て、目を丸くした。

「下着」

「せっかくいただいたので。大人っぽいのが嬉しくて、つけてみたんです。まだ少しカップが余ってしまって。えっ、ゆ、悠里さん?」

 覆いかぶさるように押し倒され、服の上から胸元にキスを落とされる。
 布越しに感じる彼の熱い息遣いが、余計にもどかしくて体を捩る。

「すぐに触れられちゃうんだよ」

 倒れた衝撃で捲れ上がった服の隙間から、彼の手が私の体を直接捕まえる。

「んっ」

 ロングブラと違いホックは2つしかなく、外すのは簡単で。

「ま、待ってください」

 身動いでみても、彼からは逃げられない。
 後ろから抱きしめられるように、捕まえられ、彼は私に囁いた。
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