彼女は実は男で溺愛で
「可愛い」
彼が耳元で囁いた声を聞いて、体が熱くなる。
彼はゆっくりと私に触れ、隅々まで愛した。
彼は熱い息遣いをさせながら、時折困ったような、切ないような顔をさせる。
その表情が心配になっても、彼から与えられる刺激に意識が遠のきそうになり、思いは彼に伝えられない。
彼に必死にしがみつき、堪えきれない声を漏らす。
何度か気が遠くなったとき、不意に彼の体が離れていった。
え。
そう思っても疑問は声には出せず、混濁としていく意識の中で、知らぬ間に眠っていた。