彼女は実は男で溺愛で
「ごめん。弱気になり過ぎているかな。龍臣は俺の祖父に似ていて」
「悠里さんのおじいちゃん」
厳しい人だと言っていた。
「そう、おじいちゃん。尊敬はしているよ。けれど反発する思いもあって。龍臣と話した後は、祖父と話したみたいに落ち込むんだ」
龍臣さんに似ていると言われると、かなり怖いのだろうと想像できる。
けれど、龍臣さんにも感じたように、おじいちゃんも悠里さんが好きなのではないかな、そんな考えも過ぎる。
「この話は、また聞いてくれるかな? 話し出したら、誕生日パーティーがもう1日、日をまたぎそうだ」
「はい。悠里さんが話したくなるまで、待っていますね」
「うん。ありがとう」
悠里さんは私にキスをして「遅くなった晩餐を始めようか」と、微笑んだ。