彼女は実は男で溺愛で
プレゼントしてくれた花束を花瓶に生け、豪華な料理を並べながら、私は疑問に思った料理の出所を追及した。
「いつの間に、こんなに料理を」
「本当は作りたかったのだけれど、間に合わないからね。持ち帰りにさせてもらって、昼休みに取りに行ったんだよ」
謎が解けても、私は不平を訴える。
「本来なら私が準備すべきなんじゃ」
「そう?」
「私、なにもあげられていないです」
「だから、もらったってば」
「もう、その流れは大丈夫です!」
「ハハ。厳しいなあ」
自然な所作で、お皿に取り分けてくれて。
ああ、だから、これも私がやるべきで。
「ほら、どうぞ」
「私、本当に悠里さんの彼女で、いいんでしょうか」
「どうして?」
「悠里さんが、完璧過ぎるからです!」
私が力説しても、悠里さんは真剣に取り合わない。