彼女は実は男で溺愛で

 母へ連絡をすると『お母さんも話したいことがあるから』と返答があった。
 逃げ回っていたって仕方ない。

 私は母と向き合うと決心をして、電車に乗った。

 マンションに着き玄関の前で息をつくと、インターホンを押した。

「おかえり。史乃」

 出迎えてくれた母の表情は、どことなく固い。
 母に連れられリビングに行くと、思わぬ人物がいた。
 父と、その横には若い女の子。

 彼女は父側の子どもで、この子とは別にもうひとり男の子がいる。

 男の子という歳でもないか。
 確か、私より1つか2つ上で、目の前にいるこの子が私より幾分若いくらい。

 父の娘と、一緒に説得させられるのかな。
 父と母との赤ちゃんを、認めてくださいって。

 変な図式を想像して、心の中で嘲笑した。
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