彼女は実は男で溺愛で

 私は懇願される形で、お風呂に入り、彼の寝室のベッドで横になった。
 悠里さんの優しさが沁みる。

「あの、母は妊娠していませんでした」

「え、そうなの?」

「はい。義理の妹が妊娠していたみたいで」

「そうか。そうなんだ」

 彼は言葉少なに頷いた。

「まだ若くて、高校生で」

「高校生!? それは、そうか。うん」

「ふふ。悠里さんも私と同じですね。頭が固いみたい」

「普通の反応でしょう。よく反対しなかったね。史ちゃんのお母さん、というより、お父さんの方か」

 穏やかな父を思い浮かべ、私も同意する。

「私もそう思います。たぶん産む産まないの相談は終わった上で、今回の話なんだと思います。産んで育てると覚悟して、あとはどこに住むかの段階で」
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