彼女は実は男で溺愛で
「でも、勘違いされるタイプじゃない?」
伸ばされた手が私の頬に触れ、触れられた頬が熱い。
「ダメよ。男性には、そんな顔を見せたら」
本当にお姉さんみたいだ。
頬が熱くて恥ずかしいのに、少しだけ嬉しい。
「こんな状況にならないので、大丈夫ですよ」
よく分からない理由を口にすると、重ねて心配の言葉をかけられる。
「史ちゃんは可愛いんだから、気をつけて。私も、勘違いされて、襲われかけたり」
「え」
さらりと重大な告白をされ、言葉を詰まらせる。
「大丈夫。未遂だから」
私を安心させるように言う、悠里さんを見つめる。
私を心配させないようにするためか、彼女は明るく告げた。
「それからは、襲われないように体を鍛えたから。今は色々な武道を極めちゃって」
里穂さんの言う「悠里、こう見えて私より力強いんだから!」は、このことかと合点がいった。