彼女は実は男で溺愛で
「里穂から聞いたわ。ずいぶんボディメイクが上手くなったから、毎日通う必要はないって」
「そう、ですか」
恥ずかしい声を、聞かれたいわけじゃない。
けれど、そうまでしても、悠里さんに会いたい。
落胆の気持ちが顔に現れていたのか、悠里さんに苦笑される。
「捨て犬のような眼差しを向けないでよ」
「そんな、つもりは」
悠里さんは冷めてしまったコーヒーを、ぐるりとかき回して告げる。
「服を選んであげるって、前に言ったわよね」
「え、あ、はい」
「次は服を選びましょう。地下にはモデルが着た、新作や試作品がたくさんあるから」
「わ、私に似合うのが、その中にあるんでしょうか」
正直自信がない。
悠里さんは、里穂さんを紹介してくれて、コンプレックスを取り除いてくれた。
けれど、モデルさんの着た服となるとハードルが高い。