彼女は実は男で溺愛で

「私、販売促進部所属なの。それも販売促進課」

「え、はい」

 悠里さんが社員証を下げているところを見なくて、ひとつの可能性を思い描いていた。
 もしかして社員ではなく、会社に出入りするモデルさんなのでは、と。

 販売促進課、なんだ。

 想像のモデルではないのは、残念なような気がするけれど、ひとつ、悠里さんを知れて嬉しく思う。

「商品を買う人は、スレンダーなモデル体型の人だけじゃない。狙いの年齢層はあるけれど、その中でも様々な体型の人がいるわ」

 仕事の話をする悠里さんは、かっこいい大人の女性だ。

「だから、史ちゃんみたいな小柄な女性のラインナップも、もちろん取り揃えているってわけ」

 明日はここに来てと、場所の地図と名称を教えてもらった。

 ボディメイク室がある地下1階と同じ階。
 2つ隣にある、フィッティングルームだ。
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