彼女は実は男で溺愛で
「食欲、ないの?」
お弁当はほとんど食べられず、開けた時と変わらない状況で蓋を閉める。
「うん。少し体調が悪いみたい」
席で少し眠ろうと思うと伝え、柚羽と別れる。
席でうつ伏せになって、目を閉じた。
眠くはなかったけれど、寝てしまった方がなにも考えずに済みそうだと、無理矢理眠りについた。
「お昼休み終わるわよ」
冷めた声をかけられ、体を起こす。
「あ、ありがとうございます」
「仕事してくれないと、教育担当として困るだけ」
こちらも見ずに言われても、ほんのり胸の奥が温かくなる。
さあ、仕事するぞ!
と、気持ちを切り替え、不意に自分のデスクの上にある物に気付く。