Get over it.
樹から他のメンバーに先程の話が伝えられると、皆一様に苦悶の表情で
黙ってしまった。

「とりあえず、響は今まで通り美乃里ちゃんと付き合ってくれ、その間に
 俺達は裏を取る。分かったな。」

樹の指示に俺も皆も従った。


それから5日程で結果は簡単に出た。


「先ず、美乃里の攫われた事件は・・自作自演で、攫った奴らは、
 美乃里の地元の仲間だった。
 おまけに、最初の俺達との出会いも美乃里の仕組んだものだった。
 どうやら、ガーディアンの姫になりたかったらしい。
 で、ここに来たら玲がいて面白くなかったと・・・
 調べたら、ここに来てから玲に毎日出て行けと脅しをかけていたらしい、
 それでも出て行かない玲にしびれを切らして、動画や自作自演で追放
 されるようにした。
 動画の女は、玲に似た地元の仲間にやらせたみたいだな・・・。」

樹の淡々とした口調で伝えられた結果は、俺達の犯した罪の重さを物語って
いた。


「なんだよ・・・それ・・・。俺は、何してんだよ・・・。」

怒り、悔しさ、自分の不甲斐なさ・・・あらゆる思いで、頭の中が
ぐしゃぐしゃだった。

他の皆の顔にも、怒りと共に罪悪感や後悔の気持ちが現れていた。

「響、どうするんだ。」


「・・・明日、終わらせよう・・・。」



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