雨の滴と恋の雫とエトセトラ
 あまり考えないように、瑛太に会っても普通にしていればいいと構えていたが、運良くといっていいのか会う事はなかった。

 拓登とは学校が同じなので目が合えば軽く挨拶して、特別変わったところはない。

 私もできるだけ瑛太の事は考えないようにして、この問題からは目をそらしていた。

 千佳も私の状態を察して、瑛太のこともヒロヤさんのことも何も言わない。

 かの子とみのりはまだこの事を知らない。

 千佳は自分からは絶対に言うつもりがないし、好きにすればいいと思っているに違いない。

 この話をするには、なぜそう思ったか、一から話すとすれば、必然的にヒロヤさんのことも話さないといけなくなってくる。

 別にそっくりそのまま話さずに、ヒロヤさんと千佳のことはぼかすこともできそうだが、私が上手く誤魔化せない。

 かの子は疑問や言いたい事があればすぐに突っ込んでくるし、みのりはじっくりと観察しては心の奥まで見てそうで、適当に言えば必ずボロがでそうだった。

 かの子もみのりも信頼置ける人たちだし、その事を話しても千佳も本人のヒロヤさんも気にはしないとは思うが、私の問題なだけに二人を巻き込んでまで話さないといけないのが心苦しい。

 やはり千佳とヒロヤさんの問題は私がとやかく言うことではないから、そうなると私の問題もかの子とみのりには簡単に言えない。

 言わなくても支障はないが、当分は様子を見ることに留めておいた。

 私自身、今までの瑛太の行動を見てきて、そういえばそうだと当てはまるとは思うのだが、まだそれが真実とは限らないし、どこかでもしかしたら間違いなのかもしれないと否定する部分も持っている。

 どうしたいかと言われても、瑛太から挑戦的な事をされても、後腐れなく好きに言い合いができて、その点は楽な関係であると思う。

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