一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
舌打ちをこぼし、雅臣はポケットから携帯を取り出して耳に当てた。すぐに出たらしい伊都さんに、厳しい口調で言い放つ。
「伊都、愛の写真を撮っただろ。ネットに上げるな。わかったな!」
どうやら食い下がったらしい伊都さんを「うるさい! なんでもだ!」と一喝し、電話を切る。ふうと息をつくと、雅臣は静かに私を見下ろした。
「さてと。自分が今、どんな格好をしてるかわかってるよな」
冷えた声に背中を冷たいものが下りる。怒りを通り越して呆れられていたと思ったのに、また怒りが湧いてきたのだろうか。そんなふうに思うくらい、雅臣の目は冷たい。
でもたしかに私は今、二條家に嫁入りする人間としてはふさわしくない格好をしている。たとえ不可抗力だとしても。
「その姿を坂城に見せてどうするつもりだったんだ?」