一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
長身の彼に威圧するように正面に立たれて、私は身を縮める。
「だって、ひとりじゃ脱げなかったから仕方なく……背中のヒモを解くのが難しいんです」
ふと雅臣が一歩近づく。私の胸もとに長い指が伸びる。
「解くんなら、うしろじゃなくてこっちだろ」
谷間にかかったリボンの下の布地に指をかけて、彼は軽くひねった。一瞬だけきつく締まったビスチェが一部分だけふわりと緩む。
「えっ、前ホック……⁉」
「自分で着たのに、なんで気づかないんだ」
「着たというか着せられたというか。されるがままだったので手順までは見てなくて」
なにか巻かれてるなとか、ヒモを結ばれているなとは思っていたけれど、背中の編み上げの締め付けが強烈すぎてすべてが吹き飛んでしまったのだ。
「ここを外していけば簡単に脱げるだろ」